高専は理系人生のチートである

ども、さっきーです。

みなさん、高専ってご存知ですか??
正式名称は工業高等専門学校と言って、全国に57校ある工業系の専門学校です。
NHKで放送されているロボットコンテスト(通称:高専ロボコン)をTVでご覧になられた方もいるのではないでしょうか?
普通の専門学校と違うのがその殆どが国立(私立、公立もあります)で、5年制になっている点です。
中学卒業後に入学し、5年履修すると準学士という短大卒と同じ資格が得られます。
また、卒業後に専攻科という課程を2年修了すると大学卒と同じ学士の資格を貰う事ができます。

さて、この高専ですが、私が思うに理系、特にエンジニアを目指す人にとっては天国であり、もはや人生のチートであると思っています。

学費が安い

まず、実質的な事をいうと、学費の安さが挙げられます。
公立の高校からすれば多少高いかもしれませんが、国立の大学よりも安く年間で30万円ほどです。
また、食堂や寮が設置されている学校も多く、下宿代なども少なくて済みます。

専門教育漬け

高専は1年生(要は高校1年生)からそれぞれの科目の専門的な授業と実習があります。
さっきーが入ったのは機械工学科なのですが、授業としては図面を書くための製図の授業があったり、
高専の敷地内にある工場での実習があります。
工学系の大学であれば一部実習を行っていますが、高専の実習は非常にレベルが高く、また領域も多岐にわたります。
さっきーが受けた実習でいうと、
工作機械:ボール盤、旋盤、フライス盤、型削り盤、放電加工機等々を使った作品の製作
溶接:アーク溶接、ガス溶接、TIG溶接、MIG溶接の実習
鍛造:焼き入れ、エアハンマ、ハンマの実習
鋳造:アルミ鋳造(昔は鉄の鋳造もやっていたらしい・・・)
これを週1回の半日をかけて毎週やって、さらには毎週レポートを提出します。
その外にも物理や化学の実験が毎週の様にあるので、常に実験とレポートに追われます。
とはいえ、これってこの領域が好きな人には半分遊んでいる様なもの(レポートはシンドイですが・・・)で、
実習は楽しかった思い出しかありません。
もちろん、学科が異なれば実習の内容も違いますし、時代によっても科学技術の進展に合わせた変化(製図が手書きからCADになったり、工作機械がマシニングセンタになったり)が入っています。

求人倍率が異常に高い

上記の様にかなり実践的な専門教育を高校1年生という若い時からみっちりと5年間叩き込まれますので、非常に即戦力が高く、俗にいう「つぶしが効く」人間になります。
昨今の即戦力が欲しい企業から見ると魅力的なため、求人倍率は20~30倍です。
これは一人の学生に対して採用したいと求人を出している企業が20~30社あるという事です。
えり好みをしなければ確実に就職する事ができます。
求人を出しているのは中小企業だけなんじゃないかと思われるかもしれませんが、誰もが知る様な名だたる大企業が高専生の採用を争っている状況です。
就職氷河期と言われた時期でさえ、求人倍率は殆ど変わらず、希望すればほぼ確実に就職する事ができました。
また、企業に入ってからも優秀と認められる人が非常に多いです。

大学受験を回避できる

個人的にはこれが一番のチート感が出てます。
高専を5年間無事に終了すると、短大卒と同じ扱いになります。
すなわち、普通大学の3年生に編入する事が出来ます。
編入にはもちろん試験があるのですが、推薦と一般編入試験と2種類あります。

推薦入学

推薦入学はその名の通り、高専から大学に対して推薦をして入学する方法です。
こちらは基本的に面接で終了です。
ただし、推薦には枠がある(通常1大学あたり1~2名)ため、クラスの中で人気があると成績上位者から推薦を貰う事になります。
なので、人気のある上位の大学を目指すとなると日頃の勉強が重要です。
でも、受験勉強無しに国立大学へも編入できる訳なので、ナカナカお得な制度です。

一般編入試験

一方の一般編入試験ですが、こちらは筆記試験と面接を行います。
大学入学の筆記試験というとセンター試験が有名ですが、編入の場合は大学3年生に入学する事になるので、
センター試験は当然の事ながら受験しません。
その代わりに各大学が独自に作成した試験を解く事になります。
で、この試験がセンター試験と違って、非常に専門領域に特化した試験になっています。
さっきーが受けた大学では国語、英語、数学、化学、物理、専門科目があったのですが、
一般科目がそれぞれ1時間半の試験時間だったにもかかわらず、専門科目は何と3時間の試験時間でした。
ま、1時間半でも十分長いのですが、専門科目3時間というのはオドロキました。
専門科目は複数の問題からいくつかを選んで、自分の考えを書きなさいという論述試験でした。
普通に考えると論述試験って結構シンドイのですが、高専でずっと好きでやってきた専門科目であればいくらでも書ける訳です。
一般科目についてもセンター試験の様に暗記を問われるような科目は無く、基本的に高専での授業をきちんと受けていれば解ける内容です。
なので、受験のための勉強というのは殆ど無く、受験前に編入する大学の過去問題を2~3カ月間勉強する程度です。

しかも、最悪、落ちたとしても就職は確実にできる訳ですし、専攻科という高専の内部で進学すれば大学卒業の資格は貰えるので安心です。

ちなみに、大学に編入した後は、単位認定制度というのがあって、高専の科目を大学の単位として認められます。
とはいえ、後述するように高専には人文系の科目があまりないので、大学に入ってから何故か人文系の科目の履修に追われるというハメになります・・・

 

さて、ここまで書いてきた高専のメリットですが、当然デメリットもあります。

好きじゃない人には地獄

もう、これに尽きます。
前述の通り、1年生の段階から専門科目やら実験やら実習やらレポートやらがわんさかあります。
青春をエンジョイしてる暇はあんましありません。
おまけに、高専ロボコンに出場したり、クラブ活動をやっていればなおさら時間はありません。
なので、選んだ学科が好きな領域では無かった時や、そもそも滑り止めで入った様な人は耐えられません。
さっきーが居たクラスでも1年生で辞めた人がいましたし、留年なんてのはざらです。
入学時は40人だったハズが卒業時には30人まで減っています。
やはり授業についていけなくなり退学する人が一定数でます。
なので、中学生の段階で自分が好きだと思える領域が無いとちょっとツライと思います。

一般教養が弱い

専門領域に特化するという事はその分の時間を他の領域から捻出する事になりますので、当然人文系が削られます。
具体的には国語、古文、歴史や公民なんて殆どやった記憶がありませんし、英語も正直弱いです。(今は違うかもしれませんが・・・)
若干専門バカよりになってしまうのは致し方ない事かと思います。

俗にいう青春が無い

ま、これはさっきーが出た機械工学科の特性かもしれませんが、女子率ゼロでした(w
なので、高校生の甘酸っぱい恋愛なんてものは存在しません。
バイト先で見繕ってください。
さっきーは旋盤が恋人ならそれで良かったんです・・・
今はリケジョも増えているので、もうちょっと青春はあるかもしれませんが・・・

ちみに、最近、高専の恩師に伺ったところ、最近は機械工学科でも40人中9人が女子だそうです!!
私の時は1人(しかも1年でやめた・・・)だった事を考えると、時代は変わりましたね。

以上のように、メリット・デメリットを書いてみました。
中学生の方、中学のお子様をお持ちの方、もし、「これ!」という熱中できるような何かを持っているのであれば、高専に入るという選択肢を考えてみても良いのではないでしょうか?

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